今回は身内の話で申し訳ない。
写真を生業としているものの、意外と気恥ずかしく
身内の写真を撮ったことはあまりない。
先日、車検の仕事をしている甥が結婚するというので
久しぶりにカメラを携えて、母方の郷里へ。
一時インターネットの出会い系サイトにハマっている、
という噂を聞いていた甥だったので、
そっち方面で若い女の子でも見つけたか?なんて
思っていたが、意外や意外(失礼)しっかり者の女の子
だった。
結婚写真や結婚式に参加した人たちの写真を撮り終え
やれやれ、やっと食事にありつける、と思った
その時、母方の祖母が
「あそこの壁の前で私の写真を撮ってくれんか?」
とやってきた。おぅ、いいよと席を立つと
「結婚式が終わってからでいい」と言われ、また食事
を再開。
無事に結婚披露宴も終え、そのまま新婚旅行に発つ
甥たちを見送り、祖母に声をかけた。
「私だけじゃなく、八重ちゃんやアキちゃん、それと
トシちゃんやキミちゃんの写真も撮ってくれんか?」
というので
「じゃあみんなで並んで写真撮る?」と言ったら
みんなガハハ!と豪快に笑いながら
「みんな一斉に死なんからそれはできん!」

え?死?

どうやらおばあちゃんたちは自分たちの遺影を撮って
ほしいらしい。玄孫の結婚式に、髪もセットして
お化粧もして、いつもの自分たちより綺麗な姿を
写真にして残したいんだろう。

結婚式と遺影、真逆のようだが、祖母たちにとっては
どちらも日常の延長線なんだろうな~。
ただ、あんなに豪快に笑ってる祖母たちを見ていると
まだまだこの写真が使われることはなさそうな気が
する。





最近の話だけれど、結婚写真ではないし、新しい話でもない。
地元の商店街が主催するお見合いバスツアーに同行して
写真を撮ってもらえないか、という依頼を受けて
商店街の入り口にあるレンタル会議室へ。
俺としては結婚写真を専門にやっているので、スナップ
写真だったらデジカメを貸して、商店街の若いお兄ちゃん
あたりに任そうかな、と考えてた。

一応形式上会議に参加したけれど、初めての試みで
まだ参加者も揃ってない感じ。商店街のおじいちゃんたちに
囲まれ、居心地の悪~い時間を過ごし、帰ろうとした時に
「あんた写真屋さんだよね」
中でも一、二を争う年配のおじいちゃんに声をかけられた。
「この写真って直せるんだろうか」
机の上には変色したモノクロの、シワだらけの写真が二枚。
一枚の被写体は写真館らしき建物の前にいる軍服の青年。
もう一枚は、畑の前で子どもを抱いた女性。

「なんですか、これ。」
「僕とかみさんと子どもなんですよ。」
聞けば結婚が決まり、結婚式を挙げようという段になって
空襲が激化。結婚はしたもののおじいさんはあっという間
に徴兵されて、敗戦後日本に戻ってきたら奥さんは亡くなり
子どもだけだったらしい。
無理してでも結婚式を挙げてやればよかった、と悔やんだ
そうだ。ある日、預かってくれていた親せきから、奥さん
の遺品が届けられ、その中に入っていたのが件の写真。

「僕はこれを結婚写真だと思ってるんだよ。」

そのおじいちゃんの姿を見てたら、会ったこともない若い頃
の二人の結婚式の風景が浮かんできた。

今、直した写真はおじいちゃんの家の仏間に飾ってある。





今日結婚写真を撮りに来た夫婦は驚くほどの
年の差カップル。
最初親子?と思ったぐらいだった。さすがに聞くのは失礼
だと思っていたら奥さんの方から
奥さん「親子みたいって思ったでしょw」
俺「いえいえ、そんなことありませんよ。」
奥さん「またまた~!だって25歳違うんだもんね!」
俺「じゃあご主人、お若い奥様で最高じゃないですか!」
奥さんがドレスに着替えている時、無口だったご主人が
「私が再婚なんですが、前妻の子どもたちに結婚を反対さ
れてまして…式を挙げられないので写真だけは残してやり
たいと思いまして。」
俺「あぁ、そうなんですか!では最高の結婚写真を撮らせ
ていただきますよ!」
若くて、はしゃいでるだけのような奥さんなのに、色々
我慢してるのかなぁ。まだ合コンにいてもおかしくない年
だろうに。

しばらく経ってドレス姿になった奥さんがやってきた。
「キレイでしょ?ね~キレイって言って♪」
ご主人が恥ずかしそうに奥さんの耳元で囁いた。たぶん
「キレイ」って言ってあげたんだろう。
なんかいいな、こういうの。

俺「素敵な写真撮りますからね~!宝物にしてくださいね」
奥さん「うん!でも宝物だけどしまっておかないんだ、い
っつも見える所に飾っておく!」
そんなやり取りを優しく笑って眺めるご主人。
きっといい夫婦になってくんだろうな、この二人。奥さんは
壁に貼ってあるディナークルージングのポスターを見ながら
いいね!これ!今度行こうね!とご主人に笑いかけた。
そんな二人の結婚式の結婚式の写真を撮れる僕も幸せなの
かもしれない。





格好はともかく、なんかとても良い男だな~~。
きちんとしてるよ。

男「この髪型でスーツなんて似合わないですよね」
俺「まぁ、そうかもしれないですけど、
  写真はご結婚の写真もそうですが、
  毎年の記念に撮るお写真もありますからね。
  また、お子さんが生まれたら、
  来年も撮りにいらっしゃれば、環境も違うし、
  奥様の格好なども変わってくるから、
  全然違う写真が出来て楽しいですよ。
  まだ、お若いから、毎年どんどん違ってきて
  老後見るのが楽しみになって来ますよ!!
  あ、すみません、もう老後の話なんてしちゃって」
男「いいですね。それ頂きました。
  毎年記念に撮りますよ!!いいこと聞いたな^^」
俺「来年は結婚式を挙げてもよいんじゃないんですか?
  また、ご結婚のお写真も撮りに来てください。
  頑張ってお金貯めてくださいね!」
男「そうですね。頑張ります。
  カメラマンさん。カップリングパーティーって知っています?
  やつとはそこで知り合ったんですよ。」
俺「そうなんですか?今流行りですよね。
  この結婚式場でも良く聞きますよ。カップリングパーティーの事は」
男「俺達こんな格好だから、2人で浮いちゃって
  それ同士で仲良くなっちゃったんですよ。
  でも、その時、サラリーマンですっていったんですよ。
  本当にそうなんですけど」
俺「そうなんですね。サラリーマンさんなのですか?
  見えないですけどね」
男「仕事の時は作業着ですが、
   行き帰りはこの格好です。おお~~~~来た!!来た、
   ゆかり!!かわいい!!!よ!!」





翌日の午前中は写真の現像。
午後1時~確か予約が入っていたな~~。。
そろそろ来る時間だ。

おお~~~~っと来た~><、
このカップルはなんだ??
女は、金髪・・いや白髪??白髪・・だけど
若いっていうかガングロ??ってやつ。
男は超ロン毛で真ん中分けの卑弥呼みたいな、
ガリガリの男。
こいつらが結婚????

俺「いらっしゃいませ。今日はご結婚のお写真ですか?」
男「そうなんですよ。今日は宜しくお願致します。」

あれ??全然普通だ。
でもあの格好で写真とるのか???
まさか、カップリングパーティーで知り合った?なんて無いよな。
俺「お召し物はそのままでよいのですか?」
男「はい、結婚式は挙げれないので、
  恥ずかしながらお金が無いので、写真だけ撮りに来ました」
俺「そうでしたか、あれ、奥さんは?」
男「あ、今、やつだけ着替えています。
  やっぱりウエディングドレスってやつを一度は着たいって言うから
  そのお金と結婚の写真のお金だけはバイトで貯めたんですよ」
俺「そうでしたか。頑張りましたね。」
男「本当は結婚式も挙げたかったんだけど、
  まだお金が足りなくて・・。
  でもお腹の子供が大きくなっちゃうと出来なくなっちゃうからね。。」
俺「そうでしたか、2重のおめでたですね?!」
男「ありがとうございます。
  あいつがスタイルがいい時に写真撮りたいって言っていたから、
  急な事になっちゃって、お金が貯まらなかったんですよ。」
俺「大変でしたね。で、旦那様は普段の格好???なのですか?」
男「はい、僕は結婚の写真は俺らしく行こうと思っていまして。
  いつもこの格好なんです」





俺、メール交換までしてしまった。
押し切られたんだけど
俺もまんざらでは無かったんだよな、きっと。
本当に嫌なら断れるし。。
ま、たまにはよいか~~~~^^

今日は、仕事がこれで終わり。
現像は明日の午前中にしよう。

あ、支配人だ。
支配人「お疲れ様でした」
俺「支配人もお疲れ様です。」
支配人「今日はこれで終わりですか?」
俺「はい、そうみたいです」
支配人「でも、うちのご結婚の写真は、
     本当に評判良いですね~~~。さすが森さんです」
俺「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいですね。」
支配人「結構、紹介もあるし、営業して頂いているんですね。」
俺「そうでもないですよ。
  ただいろいろな話を聞いているだけですよ!」
支配人「それが営業につながっているんですね。
     写真の腕はもちろんですが。」
俺「ま、営業につながってれば、
  聞いてあげるだけでも良いんですかね?」
支配人「今のところは売上も上がっているし、良いと思いますが、また、
    もっと売上の目標が上がった時には
    何かアクションは起こしていかないといけないですね。
    ご結婚の写真以外でも、
    今流行りのカップリングパーティーなどに繰り出して、
    カップルの写真撮って売ったり。。需要があればですが・・。」
俺「そうですね、いろいろ考えて売り上げが上がれば
  仕事ももっとやり易くなるかもしれませんね」
支配人「そう願いたいですね。森さん。」

は~~、支配人、苦手・・・。
多分、もっと売上を上げろ!っていう催促なんだろうな。
ま、のんびり写真撮っているだけではだめな事は分かっているよ。





俺「そうでもないですよ!ここは仕事場ですし・・。
  そうですね。僕の友人なんか 
  カップリングパーティー
  お相手見つけて結婚したやつがいたりしますが・・。」
阿部「あ、それ、聞いた事があります。
   それも一種のお見合いですよね」
俺「そうですね、1対1か、20対20かの違いですよ」
阿部「でも、まとめて20人ぐらいお話するのは苦手です」
俺「僕もそうですね。人見知りなんで・・。」
阿部「そうなんですか??私もです。。
   仲間内で合コンぐらいだったら良いけど」
俺「僕もそうだな~~。合コンなんて久しくしてないな~~」
阿部「実は今度合コンにも行くんです。
   面白い合コンで男女みんな別々で友達を連れてくるんだけど、
   異性を連れてくる合コンなんですよ!」
俺「へ~~面白いね。」
阿部「あ、もし宜しかったら、
   私の紹介という事で一緒に行ってもらえませんか?
   私まだ相手を見つけてないんです><」」
俺「え、俺??」
阿部「はい、どうですか?今度、お見合いはするんですが、
   その合コンは絶対行かなくちゃいけないんです」
俺「そうなんですか。
  もしお相手がどうしてもいなかったら最後に声かけて。」
阿部「ありがとうございます。一応他あたってみますので」
俺「オオっ~~っと。もうこんな時間、
  ではとびっきりの笑顔でお写真撮りますよ!!」

なんか、変な方向に行ってしまった。
仕事なんだから、逆に断れたのに・・・。
ついかわいい子には、本当に弱いんだよな~~><





でも自分はこの道を選んだんだって言い聞かせる。
今はまだ本当に好きな女もいない。
でも結婚情報は仕事柄結構持っている。
カップリングパーティーだって行こうとおもえば行けるし。
友達は、再婚を勧めて、女を紹介するなどど言っていたが
今は興味を持たないようにしている。
おお~~~っと、お客さん。
結婚の写真か?お見合い写真か??
女一人だけだな~~。

俺「本日は宜しくお願い致します。森と申します」
女「こちらこそ宜しくお願い致します。阿部と申します」
俺「阿部様、本日はご結婚の写真ですか?・・お一人様ですか?」
女「そうなんです。お恥かしいのですが、お見合い話が来たので、
  どうせお見合いするから写真なんていいんじゃあない?
  と言ったんですけど 写真も一応見せないといけないから、
  どうせだったらきちんと撮って来なさいと言われて・・。」
俺「そうですか。でも、せっかく撮るんだから
  一番良い笑顔で撮りましょう!!、
  これが阿部様の一生を変えてしまうものに
  なるかもしれませんので」
阿部「はい、そうですね。今回ダメでもまた、
    次の時にも使うかもしれませんし・・。
    でも、友人から結婚式場の中で
    結婚の写真をこちらのカメラマンさんに撮ったもらったと
    お聞きしまして、紹介して頂きました。」
俺「そうでしたか、ありがとうございます。」
阿部「それから、かっこいいともお聞きしていました(*^_^*)」
俺「いや~~。それは無いですよ。もう中年だし、独身ですから・・。」
阿部「そうなんですか?なかなか出会いがないんですか?
    毎日いろいろな方とお会いしているのに。」





俺「いや、いいですよ。そうかもしれませんね。
  また、違う感じの写真が撮れるかもしれませんね。」
 新郎「今お付き合いしている方などは居ないのですか?」
 俺「いないことはないんだけど、
   あんまりかまってあげていないので、
   そのうちどっか行っちゃうかもって感じです」
 新郎「大事だと思うんでしたら、後から後悔しないことを祈りますよ。」
 俺「ありがとうごうございます。では、
   長くなり失礼いたしました。
   新婦さんが待っている様ですのでこの辺で。。
   素敵な写真待っていて下さいね」

俺は、毎回その人達の人間模様など監察してしまう。
この新郎拓哉は顔は悪いけど
きちんと彼女を幸せにできるだろう。
あとは、新婦みゆきの浮気さえなければ!!!
新婦はかわいいから、絶対周りがほっておかないだろう。
新郎拓哉に飽きなければよいが・・。
その為に、拓哉は頑張るんだろうな!!
その時の結婚情報はまかしておけ!(@_@)
拓哉頑張れ!!
俺が応援しているぞ!
俺の分まで幸せにな~~!

久しぶりに、自分の事も考えてみた。
俺は離婚した時、財産なども半分にし
あとくされなく離婚出来たが、心のこりは娘の事だけ。
しょうがないけど、女の子は女親がいいと思い
女房に預けたけど、
少ししたら、やっぱり寂しいと思った。
親子の会話って和むんだよな~。
たまには、娘と話をしたいと、ぶっちゃけ思うときはある
毎日、幸せな結婚の写真を撮り続けて
満足しているけど、
娘に会いたい時ががる。家族で写真を撮りに来た時。
自分もあんな時があったんだな~~と思ったり。
娘と父親の会話を聞いていると
うらやましいと思う時がある





   俺「そうでしたか。それは残念でしたね」
 新郎「絶対、親族には分かってもらえる時が来る様に
     みゆきちゃんを大事に幸せな家庭を築く決心をして
     今日に望んだんです。
     結婚する式場探しって結構大変でした><」
 俺「新郎様は出来るんじゃないんですか?」
 新郎「これからが大変ですよ~~。
     子供も立派に育てなくっちゃいけないし。
    実は今、みゆきは子供を授かっているので・・・」
 俺「そうでしたか!2重におめでたなのですね」
 新郎「この年から一からになると
    俺も長く生きなくちゃいけないから、
    健康管理もしっかりしなくちゃいけないし・・、
    課題はいっぱいですよ!」
 俺「そうですね。
   いろいろ気をつけなくちゃいけないことは
   普通より多いですかね」
 新郎「70ぐらいまで健康じゃないと、
    みんなを幸せにしてあげれないから」
 俺「偉い!!、俺なんか自分の事だけ考えていればよいから、
   いつ死んでもいい!なんか思っていますよ~~」
 新郎「あれ、お一人なんですか?」
 俺「実は×一でして・・。
   この結婚の写真を撮るのが生きがいです。」
 新郎「でも、結婚の写真を毎日撮っていたら、
    お腹いっぱいになってしまうんじゃないんですか?」
 俺「今はね・・・。でも、毎日素敵なカップルを見ていたら、
   なんかだんだん自分も結婚したくなってくるような気がしています」
 新郎:「でも絶対家族がいた方が、仕事も頑張れますよ!!
     素敵な結婚の写真は、素敵な家族があったら、
     もっと素敵にとれるかも~~。
     あ、すみません生意気言いました。
     でも本当にそう思いますで・・。」